2024年10月11日
スポーツ写真家Terrell Lloyd氏の試合当日

NFLアメリカンフットボールチーム「San Francisco 49ers」の写真担当ディレクターであるTerrell Lloyd氏は、撮影データの保存・管理方法に長けており、試合のある日には15,000~20,000枚もの写真を撮影しています。彼がNFLチームの写真を撮り始めてから27シーズン目を迎えています。実は、彼の最初の職業は写真家ではありませんでした。しかし写真を撮ることには常に情熱を持っていました。

Lloyd氏は少年時代に新聞配達をしていました。アメフト、特に49ersへの愛が高じて、新聞から写真を切り抜き、自分だけの49ersクリップブックを作っていました。

少年時代のLloyd氏は若くして才能を開花させました。彼はボウリングが得意だったのです。サンフランシスコで育った彼は、10代の頃から意志が非常に強く、全米のボウリングタイトルを獲得する選手となることを目指していました。過去に全米プロボウラーズ協会(PBA)主催のトーナメントで優勝した黒人ボウラーはおらず、テレビに映ったのも1人だけでした。コミュニティカレッジでコンピュータサイエンスを学びながら、週末はボウリングセンターで働き、投球練習を繰り返しボウリングの技術を高めました。

ところが思いがけない出来事が重なり、Lloyd氏はテクノロジー業界へ進むことになるのです。19歳の時に病気で入院し、休学を余儀なくされました。その後回復し、21歳でプロボウラーの道を歩み始めました。そして2年半ほどPBAツアーに参加した後、Nortel Networks社に入社して、同社のコンピュータデータセンターで記録用の磁気テープをバックアップする仕事に就きました。「私はアフリカ系アメリカ人で学位も経験も持っていません。それでも学生時代にコンピュータサイエンスを勉強していたので、チャンスが得られたのです」とLloyd氏は自身の過去を振り返ります。

写真提供:Terrell Lloyd氏

粘り強い努力が実を結ぶ

彼の粘り強さと情熱は、コンピューターネットワーキングの分野でも発揮されました。Nortel社でネットワークとプロジェクト管理について学んだ彼は、数年後には同社のデータセンター全体の管理を任されるようになりました。

しかしその間も、49ersへの情熱は変わることなく、彼らのために働きたいという願望も持ち続けました。Nortelの本社はスタジアムのすぐ側にあり、彼はシーズンチケットを購入していました。その後、チームの月刊誌に寄稿するようになったことでイベントに参加する権利を得て、存在感を示すために毎週月曜日の記者会見に出席するようになったのです。やがてチームのエンターテインメントグループの仕事を受けることとなったのです。パーティ会場での撮影やハーフタイムのドッグショーの撮影など、試合中の選手を撮るのではなく、必ずしも人気の仕事ではない、裏方の撮影を続けました。最終的にプロの写真家として採用されたとき、彼は自分を採用してくれたマネージャーに「なぜ私の写真を1枚も見ずに雇ったのか」と尋ねました。

写真提供:Terrell Lloyd氏

「それは、あなたが親しみやすく、いつも笑顔で人に挨拶をするから」とマネージャーは答えました。「この仕事にぴったりの人だと思ったのです」。

日曜日はいつでも

現在、Lloyd氏はフットボールシーズン中の毎週日曜日、朝7:30から夜8:00まで仕事をしています。試合前後の映像や、もちろん試合中のアクションショットを撮影し、それらを分類してカタログ化し、厳選した画像をメディアやクライアントに提供しています。

「私は試合が大好きです。毎回プレーには違いがあり、次に何が起こるかを予想するのが楽しいのです。自分自身をオフェンスコーディネーターやディフェンスコーディネーターになぞらえて、常にプレーの行方を見極めようとしています」と彼は語っています。

写真提供:Terrell Lloyd氏

現在、彼はSanDiskの128GBと256GBのSSDを愛用しています。また、スタジアムのオフィスにはSanDisk Professionalのストレージサーバー、G-RAIDタワーが置かれています。これは、各試合で撮影される写真の総データ量(2~4TB)を管理するのに十分な容量のストレージです。

彼は5台のカメラと多数のレンズを駆使して、試合ごとに15,000~20,000枚の画像を撮影します。同時に、彼はフィールドだけでなくロッカールームやサイドライン、スタジアムの周囲に、彼のチームに所属するカメラマンスタッフを配置しています。撮影画像は撮影後4,000枚から6,000枚程度に厳選し、さらにその中の8~10%程度をハイライトとして選び出します。

「George Kittle選手のタッチダウンの画像が50枚たまれば、すぐに記者席に送ります」とLloyd氏は語ります。試合後数日間かけて、彼と彼の下で働くコーディネーターは、撮影した写真にタグを付けてデータベースに保存し、管理します。

ホームゲーム用とアウェイゲーム用のプレイブック

Lloyd氏は、SanDiskと契約するプロの写真家たち「エクストリームチーム」発足時以来のメンバーとして、常にSanDiskのメモリーカードやSSDを携帯しています。彼のIT分野における経験と実績は、49ersのホームスタジアムであるリーバイス・スタジアムが建設された当時に役立てられました。彼のもつ経験値を活用してスタジアムのネットワーク環境を構築できたことで、彼はまた、自身にとってさらに大きな資産を得ることになりました。

「リーバイス・スタジアムには、6万人のファンと共有しない、異なる無線ネットワーク環境が必要だと、私は社長に進言しました」とLloyd氏は語っています。彼はフィールドの周囲に12機のアクセスポイントを設置し、試合中継専用に使用するよう社長を説得しました。49ersの以前のホームスタジアムであったキャンドルスティック・パークは、古い設計のため近代的なインフラが整備されておらず、試合中にカメラで撮影した写真データを無線ネットワークを介してデータ転送することが出来ませんでした。

写真提供:Terrell Lloyd氏

SanDiskエクストリームチームのアンバサダーとして、彼はウエスタンデジタルの新製品やその特徴を詳しく理解していました。ある日、チームメンバーが集まるイベントで行われたプレゼント大会の景品としてウエスタンデジタル製のワイヤレスSSD「My Passport Wireless SSD」を手にしました。このとき彼は突然閃いて、これこそが自分が求めているものだと確信したのです。その後彼は、撮影時に5枚のSDカードを持っていく代わりに、厳選した写真を無線で送信するようになりました。

「カードを5枚渡していた頃は、すべての作業が終わるまで20分程度かかっていました。でもMy Passport Wireless SSDを使うことで、その時間を大幅に短縮することができたのです。現在は、撮影した画像データをドラッグ&ドロップするのに3分もかかりません」とLloyd氏は説明しています。

サンフランシスコベイを愛して。そして、ブランドにも忠実

Lloyd氏は49ersとSanDisk製品、いずれも長きにわたり愛しています。彼のSanDiskへの愛情は、製品のスピード、品質、信頼性に基づいています。

彼は1996年頃、Steve YoungやJerry Rice選手が活躍した時代に、デジタルカメラを使ってSanDiskのメモリーカードやSSDを使い始めました。彼は常に一歩先を見据えており、テクノロジーが彼のようなクリエイターの仕事をいかに快適なものとするかを考えています。

「技術の進化とともに、自分も進化しなければなりません」とLloyd氏は述べています。「進化しなければ後退していることになるのです」。
現在、Lloyd氏はSanDisk製のストレージのみを使用しています。

「あるブランドと仕事を始めて、その技術の進化や成果を実感すると、その取り組みに対する信頼が自然と芽生えてきます。」と彼は語ります。

「ストレージは、カメラの撮影速度と同じように、高速で読み書きできる必要があります。また、フィールド上でメモリー容量がいっぱいになってしまったり、保存できないなどのトラブルは絶対に避けなければいけません」とLloyd氏は続けて語ります。

「二度と訪れない瞬間をとらえた写真には、どれだけの価値があるかわかりますか?」と彼は尋ねます。「(SanDiskを使っていて)写真を復元できなかったことは過去に一度もありません。手元にデータさえあれば、それは金か、金以上の価値となるのです」。

「私は自分の仕事が大好きです」と彼は述べています。「私にとっては仕事以上のものです」。

勝利の組み合わせ

Lloyd氏の情熱は伝染します。49ersが7回目のスーパーボウル出場を果たしたシーズンが終わった今、Lloyd氏はラスベガスで開催されるNFLフォトグラファーサミットの運営に携わっています。これはNFLと契約する写真家たちが集まる会合です。2回目となるこのサミットにおけるLloyd氏の目標は、若い写真家を指導し、仲間意識を醸成しながら、彼ら自身の作品が世に出るようにサポートすることです。例えばAP通信やロイターのようなグローバルニュースネットワーク(通信社)がよく使う人物写真の撮り方を共有することなどです。サミットでは照明、撮影、アーカイブ、画像のタグ付けに関するセッションなどもあります。

ボウリング選手権、データセンター勤務、大好きなNFLチームの写真部門リーダーなど、人生で常にチャンスを追い求めてきたことについて、Lloyd氏は次のように話しています。「あなたが出会う人、あなたが取り組むこと、そしてあなたが人とのネットワークを築く方法、人との接し方と話し方、これらを大切にすることです」。

「夢にまで見た仕事が現実になるのです。」

Lloyd氏の写真とストレージのワークフローについては、彼が出演しているビデオ「24 Hours Before Kickoff」をご覧ください。

 

ヘッダーアートワーク:Rachel Garcera(レイチェル・ガルセラ)

著者: Anne Herreria

※Western Digital BLOG 記事(July 9, 2024)を翻訳して掲載しています。原文はこちら

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