ウエスタンデジタルは、世界で最も倫理的な企業の1社として、人々、製品、さらには地球にも良い影響をもたらすために、ステークホルダーとの間に透明性を確保することが欠かせないと考えています。そのため私たちは2020サステナビリティレポート(リンク先:英文)を公開しました。これによりウエスタンデジタルの社会的責任の道程と、主な戦略分野における進捗状況をみなさんと共有できることを嬉しく思います。以下に、このレポートの主な内容を紹介します。
私たちはこれまで二酸化炭素排出量の削減に努めてきました。これを実現する最初のステップは、エネルギー消費量を削減することです。2016年以降、エネルギーインテンシティ(データストレージ製品1台を生産するために必要なエネルギー量)を44%削減しました。 これはエンジニアリング、ロジスティクス、製造、および研究開発の各チームが集中的に技術革新に取り組んだ成果です。さらに、スコープ2(※1)の年間温室効果ガス排出量を12%削減し、その一方で、再生可能資源から作られた電力の供給を増やしました。これにより、データストレージ製品とソリューションの生産規模を拡大しながら、エネルギー消費にも配慮することができます。
また、消費者向け製品のパッケージに使用する紙の量も削減しており、デザインを変更したり、台紙を薄くするなど紙質を変更することで、年間73万キロの紙量を削減しました。また不要になったHDDやSSDをリサイクルし、世界の埋立地に捨てられる電子機器廃棄物を削減する無料のイージーリサイクルプログラム(リンク先:英文)を導入しました(※2)。より効率的なエネルギーの使用、シンプルでスマートなパッケージ、利用しやすいリサイクルプログラムなどを通じて、私たちはこれまで以上に母なる自然を大切にしています。
私たちウエスタンデジタル、そして私たちのビジネスパートナーは、最も高い倫理観を共有しています。代表的な例として、紛争鉱物とその派生物であるコバルトなどの鉱物の責任ある調達へのコミットメントが挙げられます。責任ある調達のためのネットワーク(RSN)による2019 Mining the Disclosure Reportにおいて、私たちは3年連続してHDD製造業界で1位、コンピュータハードウェア業界全体で4位にランクされました(※3)。ウエスタンデジタルはRBA(責任ある企業同盟)のRMI(責任ある鉱物イニシアチブ)に積極的に参加しており、責任ある鉱物調達のベストプラクティスを活用しています。ウエスタンデジタルの紛争鉱物に関する方針の詳細については紛争鉱物レポート(リンク先:英文)をご覧ください。
この高い基準は、私たちがサプライヤーやベンダーなどの取引先と協働している姿勢を明確に示しています。たとえば、ウエスタンデジタルの全サプライヤーへの支出額の上位80%を占める一次サプライヤー、その96%がRBA(責任ある企業同盟)による行動規範の遵守状況を評価するプログラムで監査を受けています。私たちがグローバルなサプライチェーン業務において責任と透明性を維持するためには、この高度なリスク評価を早期に実施することが重要になります。RBAが2019年に実施したサプライヤー工場に対する監査では、ウエスタンデジタルのサプライヤー施設の43%がプラチナ認定、16%がゴールド認定、40%がシルバー認定を取得し、労働、健康と安全、環境、倫理、および管理システムにおける卓越性が実証されました。
ウエスタンデジタルは、私たち自身もサプライヤーとしての実績においてお客様から同様の高い評価を得ています。お客様は、エネルギー効率、排出量削減、人権保護、紛争のない製錬所、自発的な持続可能性報告、RBA監査遵守など、数多くの重要な指標を確認することにより、当社の業績を一貫して高く評価しています。
ウエスタンデジタルは地域、国、そして国際社会に利益を還元します。この活動は積極的で情熱的なボランティアである従業員たちから始まります。昨年は11,000人を超える従業員が約58,000時間の奉仕活動を行いました。植樹、廃棄物のリサイクル、ビーチの清掃、公園や遊歩道の補修などに多くの時間を費やしました。毎年恒例のRise Against Hunger(飢餓に立ち向かおう)キャンペーンでは、世界の貧困家庭に640万食を提供したマイルストーン(リンク先:英文)を迎えました。社会団体をさらに支援するために、環境に重点を置いた非営利団体やNGOパートナーに173件のボランティア助成金を提供しました。ウエスタンデジタルの最近の世界的な貢献や取り組みについては、以下のビデオで詳しく紹介しています。
倫理的で、そして誰でも受け入れるインクルーシブな職場を構築することは継続的な課題ですが、昨年は2つの業界賞を受賞するなど、ダイバーシティ(※4)、インクルージョン(※5)、および倫理に関する取り組みを継続的に進めてきました。第1に、ウエスタンデジタルは、ヒューマンライツキャンペーン(HRC)によって「LGBTQが最も平等に働ける会社」の1社に認定されました。第2に、ウィメンズチョイスアワード(Women’s Choice Award)は、「ミレニアル世代と多様性のベスト企業」の1社にウエスタンデジタルを選出しました。私たちの強靭な職場文化が業界で認められたことを光栄に思うと共に、これからも従業員が能力を最大限に発揮できるインクルーシブな職場であることを訴求していきます。
事業運営においても倫理観を大切にしています。私たちは2016年から、すべての事業運営について汚職に関するリスク評価を受けています。わたしたちは新しい人権方針を発表しました。この方針では事業運営やサプライチェーンのあらゆる段階で人権を尊重するための重点分野、ガバナンス方針、実行戦略を示しています。その結果、米企業倫理推進シンクタンクのエシスフィア社から世界で最も倫理的な企業の1社に選ばれました(※6)。この選考は当社の倫理的な事業基準、慣行、および従業員プログラムに基づいています。エシスフィア社に選出された131社のうち、当社は「テクノロジー」業界で選ばれたわずか6社のうちの1社に入りました。
また、データ侵害やハッキングが頻繁に発生している現在ですが、2019年に当社から報告した個人データ侵害件数はゼロでした。当社はお客様のプライバシーを保護するために強力なプラクティスと方針を採用することにより、信頼、透明性、管理、および保護を提供しています。
ウエスタンデジタルの従業員は、自社のテクノロジーによってデータが世界のあらゆる場所のあらゆる局面で保護されていることを知ることでインスパイアされています。私たちはデータが使用されているすべての場所において基盤を構築し、比類のない新たなデータ活用方法を提供しています。最も革新的な企業、最先端の研究者、および技術志向の消費者の皆さんは、データの力を解放することで、世界で最も重要な持続可能性の課題に対処するために、ウエスタンデジタルの製品に絶大な信頼をいただいています。私たちは地球をより大切にしながら、事業規模を拡大し、地域社会を活性化するために、今後も環境問題に取り組んでいきます。持続可能な未来を築くために。
※1 スコープ2:他者から供給される電気・熱などの使用による間接排出
※2 Easy Recycle Programは、現在日本では展開されていません。日本ではリサイクル法にのっとって適切に処理されています
※3 Mining the Disclosures 2019 – Responsible Sourcing Networkより
※4 ダイバーシティとは…多様な個性、背景をもつ人材を積極的に採用し、組織に様々な人材が存在すること。雇用の機会均等。
※4 インクルージョンとは…多様な人々が互いに個性を認め合い、ひとつとなって働くこと。つまり多様な人材を採用するダイバーシティによって集まった人々が、その個性を活かして働くこと
※5 ウエスタンデジタルは2019年より3年連続で選出。「世界で最も倫理的な企業」全リストはこちら(リンク先:英文)
著者: Josh Parker
※Western Digital BLOG 記事(AUGUST 7, 2020)を翻訳して掲載しています。原文はこちらから。